弱みを強みに変える

こんにちは、やなべです。

以前のブログの記事で、自分の強みを見つけることをしてみました。そこで紹介した本には、弱みを克服するのではなく、強みを伸ばす方向にキャリアを積み上げていくということが書かれていました。その時は、そういうものなんだと納得していたのですが、それから色々考えてみると、弱みと向き合わないというのも不自然な気がしてきました。戦略として、強みを推していくというのはある意味当たり前なのですが、逆に弱みを活かすことはできないのかと思うのです。というのは、ブログの記事を書いていると、強みばかりを強調するのも一辺倒だと感じてきたからです。強みも弱みもすべて含めて自分です。今回は、弱みをどう活かしていくかという本を読んでみました。

弱みを強みにした事例

本書では、弱みを強みにした事例を多数紹介されていますが、その中で特に印象深かったものをひとつ抜粋して紹介します。青森県五所川原市の地吹雪体験ツアーです。五所川原市は、特に雪の多い「特別豪雪地帯」に指定されているほど、冬になると雪に閉ざされてしまう地域です。そこでは、地吹雪体験なるものが開催されており、南国の台湾からの来訪もあるということです。雪国にとって、雪は敵であり冬の観光にとってはマイナスとなる弱みでもあります。しかし、それを売りにして、かんじきで歩くという作業を観光化したのです。

弱みも強みも絶対的なものではない

五所川原市の観光施策が示すのは、弱みは絶対的なものではないということです。むしろ、弱みだと自分で考えていることは他人には真似できないオリジナリティであると言えます。つまり、弱みや強みは解釈次第でいかようにもなるもので、そこにあるのは弱みではなく、客観的な事実なのです。弱みを強みに変えるというのは語弊があり、正確には、事実をいかに強みになるように解釈するかということです。具体的には、次の三つのステップで強みを打ち出していきます。

ステップ1 弱みではなく、事実として客観的に羅列する。

ステップ2 その事実が強みになるような解釈を探す。

ステップ3 その解釈を受け入れてもらえる顧客に提案する。

ステップ1では、感情を交えず冷徹な態度で事実を羅列していきます。弱みを書き出すと考えると辛くなって筆が止まってしまうので、単なる事実であると見なします。ステップ2では、開き直って、事実を受け入れることが重要です。ここでは、自虐を伴いながら、なにくそやってやるぞという力に変えていきます。ステップ3では、ステップ2の解釈を納得してもらえるのは誰かという顧客像を考え、どのように提案すれば刺さるかを考えます。開き直るポイントとしては、人生をゲームのように考えるのが有効です。この試練は中ボスで、倒せなければまた経験値を積んで自分を強くするという心理的な切り替えをするのです。


弱みというのはそう解釈しているだけで、あるのはただの事実であるということが、全体のポイントのひとつだと思いました。そして、事実を受け入れることから戦略が始まるというのも、重要なことです。事実を受け入れるというのは、それが弱みであるという認識があればあるほど難しいものですが、そこは開き直ってしまえというのが、適当だと一瞬思いましたが真実なのかも知れません。自分にはこんなところがある。だからどうした。これは誰にも真似できないだろう。そこを打ち出して戦略にしてやる。という心が必要なのかも知れません。一方で、どのような顧客像を想定するかという場面では、冷静な分析が必要ですが、ここで冷静になるためにも振り切って開き直るというステップが効いてくるのだと思います。

顧客像を想定するにあたり、本書では、利用場面や競合を固定することが必要であると述べられています。競合というのは、顧客の頭の中の選択肢のことであり、この顧客の頭の中の価値をめぐる戦いのことをマーケティングというそうです。価値とは顧客の欲しい何かであり、ニーズのようなものです。利用場面や競合を想定したときに初めて、弱みや強みが定義されるのです。先ほどのステップと順番が逆のような気もしますが、相互作用的なものと考えれば、強みとしての解釈を決めた時点で顧客も決まるとも言えそうです。とすれば、自分のしたいことの競合を分析することが大切になります。先人が何を強みとして顧客のニーズを満たそうとしているのか、観察してみようと思います。

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