協奏曲のすすめ

ピアノは独奏のできる楽器という、最大の特徴があります。他の楽器は、オーケストラなどの編成の中で演奏したり、伴奏を付けたりと、何かと合わせることで曲が成り立ちますが、ピアノの場合はピアノだけで演奏することができます。ひとりで弾くのではなくて、複数人でピアノを弾くという連弾などの技法もありますが、いずれにしてもピアノのみを使用した演奏形態です。独奏ができる分、逆を言えば複数の楽器で合わせる機会が少ないのがピアノなのですが、その例外として協奏曲というものがあります。

Justin Ruckmanさんの作品

このように、ピアノの後ろにオーケストラの編成があって、これらが合わせて演奏をする形態です。ピアノはソロで弾きますが、主役になったり伴奏になったりします。また、カデンツァという部分があって、そこはピアノのみが演奏する見せ場でもあります。そんな協奏曲の中から、私がおすすめする曲を紹介したいと思います。

ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」

ピアノ協奏曲といえばこの曲というくらい、協奏曲の代表的な曲です。最初は何かを秘めたようなロマン風の旋律から始まります。この旋律を聴いた瞬間に、ラフマニノフの世界に引きずり込まれる感じがします。どこをとっても名曲だなと思わせますが、ぜひ最後まで聴いて欲しい曲です。フィナーレは圧巻です。

チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」

雄大な序奏から始まるこの曲は、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。最初はピアノは伴奏にまわるのですが、この動画の演奏者であるマルタ・アルゲリッチは、ピアノ一台でオーケストラをいきなり引っ張っていくような迫力満点の豪快な演奏をします。第一楽章のフレーズは有名ですが、駆け抜けるような第三楽章もぜひ聴いてみてください。

ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」

上記の二曲よりは有名度としては下がるかも知れませんが、個人的に好きな曲なので紹介します。左手だけで演奏される珍しい曲なのですが、左手ならではの力強さというか、少し粗雑な感じの良さが際立ちます。この曲は、第一次世界大戦で右手を失ったピアニストのために作曲されたのですが、当の本人が演奏しきれなかったという逸話もあります。

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